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森崎は日本統治下の朝鮮を原郷と呼び、敗戦後の日本とアジアの係(かか)わり方を「植民二世」の視点から鋭く斬り込んでいった。そして、自らとは逆にアジア各地へ渡り、「おなごのしごと」についた女性たちの肉声を『 からゆきさん ...
(1)は気候変動という死活的テーマを従来の国際関係論が適切に論じられない現状を批判し、環境地政学という新たな学問潮流を紹介する。経済成長至上主義、資源の収奪、植民地支配、自然の支配、男性中心の社会といった近代世界の諸相こそが問題の同根だ、と著者はラデ ...
柄谷行人さん(84)は、戦後長きにわたって国内外の批評・思想に大きな影響を与えてきた。柄谷行人はどこからやってきて、いかにして柄谷行人になったのか――。そのルーツから現在までを聞く連載の最終回です。(聞き手・滝沢文那) ...
内務省と言えば日本の内政を一手に引き受けた巨大官僚組織で、特別高等警察(特高)や国家神道に関する部局を抱え、「悪の総本山」のイメージも強い。だが、それは一面的な見方だ。講談社現代新書の「内務省」(内務省研究会編)は、戦前日本の官僚機構 ...
漫画が好きだ。そしてホラーも好きだ。折しも季節は夏、ささやかにでも涼を納めるべく、おすすめのホラー漫画を3作ご紹介したい。 まず、8月4日に第1巻が出たてほやほやの「こわいやさん」(カメントツ、集英社)。 かわいい「どうぶつ」たちが暮らす「どうぶつ村 ...
いままで受け取った原稿でいちばん驚愕したのが、吉増剛造さんの詩集『怪物君』。その原稿は、高さ45センチ、幅10メートル以上の壮大な巻物で、ただならぬオーラを放っていた。触れるのもためらわれるその巻物を本のかたちにするために、文字起こしをするのが私の仕 ...
2025年後期のNHK朝の連続ドラマ小説「ばけばけ」の主人公・小泉セツの夫で、21世紀に入ってふたたび注目されはじめている小泉八雲。彼が、ギリシャ、アイルランド、アメリカを経て ...
8月16日の朝日新聞読書面で紹介予定の本です。 ※掲載書籍は変更されることもあります。ご了承ください。 ※朝日新聞の読書面は土曜日の朝刊に掲載されます。 ※このページは原則として毎週月曜に更新しますが、祝日 ...
植物を上手に育てる人を緑の指の持ち主と言うけれど、はたしてこの人は何色の指を持っていたのだろう。安房直子の作品に触れるたび、そんな疑問が胸にわく。彼女が遺(のこ)した数々の童話は、頭で考えたというよりも、もともと宙に漂っていた何かを ...
言葉のインフレーションが止まらない。SNSのタイムラインを流れ落ちる無数のテキスト、YouTubeの配信、切り抜き、LLM(大規模言語モデル)によって際限なく読まれ加工され生成されるn次情報。言葉はかつてなく大量に遍在し、消費され、自 ...
古賀史健(こが・ふみたけ) ライター 1973年福岡県生まれ。出版社勤務を経て、1998年にフリーランスに。2013年に出版された『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)が40以上の国・地域で翻訳され、世界的ベストセラーに。ビジネス書ライターの地位向上への貢献が評価され、2014年に「ビジネス書 ...